legal office(法律事務所)に恋の罠
6
「和奏ちゃん、いらっしゃい!」
カランと入り口のベルが鳴ると、入り口の受け付け兼会計カウンターにいた吉村が和奏を出迎えた。
「小池くんから連絡をもらったわ。和奏ちゃんとその彼氏に招待券を譲ったって」
和奏は一瞬、
"おや?"
っと思ったが、すかさず吉村の言葉の間違いに気づいて、素早く訂正した。
「なぜ、あの状況で勘違いできるのかわかりませんが、桜坂CEOと私の関係は、社長と顧問弁護士という以外の何物でもありませんから。小池くんには訂正しておいたのに変ですね」
「フフ、何でもいいわ。湊介君以外の男連れの和奏ちゃんなんてレアなんだから。こんなに美人なのにね」
和奏がお店に入ってきたとたん、チラチラとお客が彼女に視線を向ける。
男たちはタイミングを見計らって声をかけようと機会を狙い、女性たちは、あんなに綺麗な人が一人で飲みに来ることもあるのか、と不思議に思っていた。
再度、入り口の鐘が鳴り、奏がドアを潜ると和奏の横に立った。
「お待たせしましたか?和奏さん」
「いえ、私も今来たところです」
お客には二人の会話はハッキリと聞こえない。
だが、二人で並んで立っているだけで絵になるのだ。
やはり、と残念がるお客たち。
「あら、ずいぶんイケメンさんを選んだのね」
「だから、違うと言ってますよね。吉村さん」
咎めるように睨んだ和奏を、奏が屈んで顔を覗き込んだ。
「私をイケメンとは思ってくれないのですね。もっと努力をしないと」
「奏さんまで・・・。もう、席に着きますよ」
奏の腕を軽くつかんで、席まで誘導する和奏。
「まあ、本当にお似合い」
吉村はニコニコと笑って、お通しとお冷やを準備するためにキッチンへ向かった。
カランと入り口のベルが鳴ると、入り口の受け付け兼会計カウンターにいた吉村が和奏を出迎えた。
「小池くんから連絡をもらったわ。和奏ちゃんとその彼氏に招待券を譲ったって」
和奏は一瞬、
"おや?"
っと思ったが、すかさず吉村の言葉の間違いに気づいて、素早く訂正した。
「なぜ、あの状況で勘違いできるのかわかりませんが、桜坂CEOと私の関係は、社長と顧問弁護士という以外の何物でもありませんから。小池くんには訂正しておいたのに変ですね」
「フフ、何でもいいわ。湊介君以外の男連れの和奏ちゃんなんてレアなんだから。こんなに美人なのにね」
和奏がお店に入ってきたとたん、チラチラとお客が彼女に視線を向ける。
男たちはタイミングを見計らって声をかけようと機会を狙い、女性たちは、あんなに綺麗な人が一人で飲みに来ることもあるのか、と不思議に思っていた。
再度、入り口の鐘が鳴り、奏がドアを潜ると和奏の横に立った。
「お待たせしましたか?和奏さん」
「いえ、私も今来たところです」
お客には二人の会話はハッキリと聞こえない。
だが、二人で並んで立っているだけで絵になるのだ。
やはり、と残念がるお客たち。
「あら、ずいぶんイケメンさんを選んだのね」
「だから、違うと言ってますよね。吉村さん」
咎めるように睨んだ和奏を、奏が屈んで顔を覗き込んだ。
「私をイケメンとは思ってくれないのですね。もっと努力をしないと」
「奏さんまで・・・。もう、席に着きますよ」
奏の腕を軽くつかんで、席まで誘導する和奏。
「まあ、本当にお似合い」
吉村はニコニコと笑って、お通しとお冷やを準備するためにキッチンへ向かった。