legal office(法律事務所)に恋の罠
8
「ごちそうさまでした」
「とても美味しかったです。また、和奏さんと来店させてもらいますね」
和奏の腰に手を回し、片時も離れないようにしている奏に苦笑しながらも、
「ええ、是非またいらして下さいね。和奏ちゃんは宇津井のことは気にしないでいいから。こっちもうまくやるわ」
大学に入学してから2年以上、和奏はこのダイニングバーでバイトをしていた。
しかし、宇津井がここを彷徨くようになってからは、和奏もバイトを辞めてしまった。
宇津井の嫌がらせが、吉村やこの店に及ぶのを恐れたからだ。
そんな経緯から、和奏が心底心配しているのが、吉村には痛いほどわかっていた。
「大丈夫ですよ。吉村さんの店には一切近づかせないように私からもアプローチしてみます」
その言葉に、吉村は安心したように頷いて二人を見送った。
「和奏さん、送りますよ」
タクシーに乗り込んだ二人は和奏のマンションに向かった。
奏も一旦タクシーを降り、エントランスまで同行しようとした時だった。
「よう、酒を飲んで、御曹司をお持ち帰りとは、いいご身分ですね。夢谷弁護士さん」
そう声をかけたのは、ここにいるはずのない、莉音の元カレである、仲川将生だった。
「とても美味しかったです。また、和奏さんと来店させてもらいますね」
和奏の腰に手を回し、片時も離れないようにしている奏に苦笑しながらも、
「ええ、是非またいらして下さいね。和奏ちゃんは宇津井のことは気にしないでいいから。こっちもうまくやるわ」
大学に入学してから2年以上、和奏はこのダイニングバーでバイトをしていた。
しかし、宇津井がここを彷徨くようになってからは、和奏もバイトを辞めてしまった。
宇津井の嫌がらせが、吉村やこの店に及ぶのを恐れたからだ。
そんな経緯から、和奏が心底心配しているのが、吉村には痛いほどわかっていた。
「大丈夫ですよ。吉村さんの店には一切近づかせないように私からもアプローチしてみます」
その言葉に、吉村は安心したように頷いて二人を見送った。
「和奏さん、送りますよ」
タクシーに乗り込んだ二人は和奏のマンションに向かった。
奏も一旦タクシーを降り、エントランスまで同行しようとした時だった。
「よう、酒を飲んで、御曹司をお持ち帰りとは、いいご身分ですね。夢谷弁護士さん」
そう声をかけたのは、ここにいるはずのない、莉音の元カレである、仲川将生だった。