legal office(法律事務所)に恋の罠
9
「おはようございます」
「おはよう、和奏さん」
翌朝、社長室と弁護士執務室で顔を合わせた奏と和奏は、昨日と同じように事務的な挨拶をしていた。
和奏の部屋で朝食を済ませると、奏は自分専用のセミスイート・・・。
そう、和奏の隣の部屋
・・・に戻って行った。
奏の用意周到ぶりには、初めから驚かされっぱなしの和奏だったが、父親とも宇津井とも違う奏の強引さには、得も知れぬ安心感を得ていた。
奏は、決して和奏の嫌がることはしない。
その事は、この数日間で身をもって知ることができた。
小池のように壊れそうな儚さもない。
帆船の様な、しなやかな強さが奏にはある。
これからどんなに強い強風に晒されても、きっと難なく乗り越えていくのだろう。
そう信じさせてくれる貴重な男だった。
和奏は透明なパーテーション越しに、パソコンに向かう奏にチラッと目をやると、微笑みを浮かべた。
"私は私の仕事を誠実にこなしていこう。奏さんを信じていれば大丈夫"
そう、自分に言い聞かせると、再び、自分のパソコンに目を戻して、書類作成に取りかかった。
「おはよう、和奏さん」
翌朝、社長室と弁護士執務室で顔を合わせた奏と和奏は、昨日と同じように事務的な挨拶をしていた。
和奏の部屋で朝食を済ませると、奏は自分専用のセミスイート・・・。
そう、和奏の隣の部屋
・・・に戻って行った。
奏の用意周到ぶりには、初めから驚かされっぱなしの和奏だったが、父親とも宇津井とも違う奏の強引さには、得も知れぬ安心感を得ていた。
奏は、決して和奏の嫌がることはしない。
その事は、この数日間で身をもって知ることができた。
小池のように壊れそうな儚さもない。
帆船の様な、しなやかな強さが奏にはある。
これからどんなに強い強風に晒されても、きっと難なく乗り越えていくのだろう。
そう信じさせてくれる貴重な男だった。
和奏は透明なパーテーション越しに、パソコンに向かう奏にチラッと目をやると、微笑みを浮かべた。
"私は私の仕事を誠実にこなしていこう。奏さんを信じていれば大丈夫"
そう、自分に言い聞かせると、再び、自分のパソコンに目を戻して、書類作成に取りかかった。