legal office(法律事務所)に恋の罠
コンコン
と、弁護士執務室のドアがノックされる音がした。
時計を見ると12時をまわっており、和奏はソファでそのままうたた寝をしていたようだ。
時間にすれば10分程度だったが、少しは頭がスッキリしていた。
「はい」
「和奏さん、莉音です。入ってもいいですか?」
和奏は予期せぬ来訪者に驚きつつも、
「どうぞ」
と、言って入り口のドアを開け、莉音に入室を促した。
「わあ、兄さんに聞いてたけど、本当に社長室の隣にあるんですね」
莉音は入ってくるなり、興味津々で執務室のなかを観察した。
「あ、私の渡した鉢植えも飾って下さってるんですね」
窓際には、莉音から貰った紫色のカンパニュラが元気よく花を咲かせていた。
「ええ、可愛い花に癒されています」
「今まで、女性スタッフと面談だったのですか?」
莉音からの質問に、紅茶とお菓子を準備していた和奏は
「松尾弁護士から聞かれたのですか?」
と逆に聞き返した。
「はい、気になることがあってホテルに来たんですが、兄さんは忙しいようで不在だったから、まずは弁護士の和奏さんに相談しようと思って・・」
そう言って、莉音はスマホを取り出し、SNSアプリを表示して和奏に見せた。
「この有名BホテルのCEOって兄のことですよね?セクハラ疑惑に、未成年への強要って何のことですか?」
莉音宛に送られてきたSNSメッセージの送信者名に心当たりはないという。
将生のアカウントはブロックしているが、機械に疎い莉音のセキュリティ設定は甘いはずだ。
簡単に偽アカウントを使って、送信してきたに違いない。
メッセージの他にも、和奏が宇津井に渡された写真と同じものが、顔だけをぼかして添付されている。
そして、同様に添付されているURLを開くと、
そこは、Hotel Bloomingを攻撃する裏サイトで、女にだらしがないCEOを責め立てる、悪意のある投稿が炎上している最中だった。
と、弁護士執務室のドアがノックされる音がした。
時計を見ると12時をまわっており、和奏はソファでそのままうたた寝をしていたようだ。
時間にすれば10分程度だったが、少しは頭がスッキリしていた。
「はい」
「和奏さん、莉音です。入ってもいいですか?」
和奏は予期せぬ来訪者に驚きつつも、
「どうぞ」
と、言って入り口のドアを開け、莉音に入室を促した。
「わあ、兄さんに聞いてたけど、本当に社長室の隣にあるんですね」
莉音は入ってくるなり、興味津々で執務室のなかを観察した。
「あ、私の渡した鉢植えも飾って下さってるんですね」
窓際には、莉音から貰った紫色のカンパニュラが元気よく花を咲かせていた。
「ええ、可愛い花に癒されています」
「今まで、女性スタッフと面談だったのですか?」
莉音からの質問に、紅茶とお菓子を準備していた和奏は
「松尾弁護士から聞かれたのですか?」
と逆に聞き返した。
「はい、気になることがあってホテルに来たんですが、兄さんは忙しいようで不在だったから、まずは弁護士の和奏さんに相談しようと思って・・」
そう言って、莉音はスマホを取り出し、SNSアプリを表示して和奏に見せた。
「この有名BホテルのCEOって兄のことですよね?セクハラ疑惑に、未成年への強要って何のことですか?」
莉音宛に送られてきたSNSメッセージの送信者名に心当たりはないという。
将生のアカウントはブロックしているが、機械に疎い莉音のセキュリティ設定は甘いはずだ。
簡単に偽アカウントを使って、送信してきたに違いない。
メッセージの他にも、和奏が宇津井に渡された写真と同じものが、顔だけをぼかして添付されている。
そして、同様に添付されているURLを開くと、
そこは、Hotel Bloomingを攻撃する裏サイトで、女にだらしがないCEOを責め立てる、悪意のある投稿が炎上している最中だった。