legal office(法律事務所)に恋の罠
「まず、莉音・・・。妹のケースを"小さな案件"と仰いましたが、仲川の保釈に宇津井弁護士が関わっていると判明した暁には、こちらとしても双方にそれなりの対応をさせていただきますがよろしいですね?」

奏が宇津井を真っ直ぐに見つめて問うと、

「お好きにどうぞ」

と、宇津井は両肩を竦めた。

「言質は取りましたよ」

山崎は、バッグの中から書類とDVD-R、ボイスレコーダーを取り出すと机に並べた。

「まずは、こちらが仲川芸能事務所であなたが、仲川社長を脅す様子を録画したものです」

山崎は、会議室に備え付けられたパソコンにDVD-Rを挿入する。

"仲川"

と記載されたフォルダーをダブルクリックすると、数個のビデオデータが名を連ねている。

そのうちの一つを更にダブルクリックすると、

液晶プロジェクターからスクリーンに映し出された映像が宇津井の顔を凍りつかせた。
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