海賊船 ~天下は誰の手に~
織田軍 vs 毛利軍

「かかれ!我が勇猛なる戦士どもよ!!」

毛利の声が響く。毛利の策は両翼(リョウヨク)の型。本船とは一回りほど小さな船を左右に広げ織田軍へと攻め込む。この霧の中なら絶好の陣形と言えるだろう。

「織田信長!それだけの軍で我が毛利にかなうと思うてか!」

「ふっ!毛利、貴様こそ情報もなしに攻めてきたのは浅はかだったな!」

信長の嘲笑する声が聞こえた。

「はっ!そのような少ない船数で我ら毛利に勝てなどせぬ!」

「ほう……少ない船数とはこのことか…?」

信長が不敵な笑みを浮かべる。すると、霧の中から無数の船がでてくる。

「なっ…!なぜそんな多くの艦隊を!!」

「なぜ……?この俺がたった少ない船数で航海にでたことなどはない。残念だったな毛利。我が軍の前に散れ。」

そう信長が冷たく言い放った瞬間。毛利の艦隊へと一斉に大砲が放たれる。

「くっ、くっそぉぉ!!!」

そうして毛利軍は毛利の声とともに海へと散っていった……



「ふふっ。織田軍もやりますねぇ。運をも味方にするとは。これからが楽しみです。」
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