海賊船 ~天下は誰の手に~
伊達軍 vs 石田軍

「伊達政宗!そのような兵器ばかりに頼って恥ずかしくはないのか!」

「は!これが俺の戦い方だ。恥をかく必要はねぇ!」

「そうか。では本当の戦い方と言うやつを貴様に見せてやろう!」

「吉継(ヨシツグ)!右に狼煙を!左近(サコン)!石田軍2番隊に打って出ると伝令を!」

『はっ!』

「さぁ、ここから地獄のshow timeだ!覚悟しろ!伊達政宗!」

「さすがだな。石田三成(イシダ ミツナリ)。迅速かつ冷静な判断と采配。そして異国の言葉を使いこなすとはな。」

「はっ!お前らの技術がどれだけ発展しておろうとも、我らには関係ない!」

「……それはどうかな?準備は出来てるか!!小十郎!!」

政宗は三成の方を向いて叫ぶ。

「はっ、ついに狂ったか、どこを向いているんだ!伊達政宗!!」

「準備完了です!政宗様!」

そんな声が三成の後ろから聞こえてくる。

「なっ!片倉小十郎?!いつの間に後ろに…!」

「お前が長々と話してる間に下から送り込んだんだよ。いや~長話してくれて助かったぜ。これでお前に逃げ道はない。」

「…………くはははははは!逃げ道がないのは貴様の方だ!聞こえていなかったのか?俺のさっきの采配を!さぁ、climaxだ!覚悟しろ伊達政宗ぇぇ!!」

「はっ、聞いていなかったのはお前の方だろう!石田三成!小十郎!頼んだぜ!!」

「はっ!!お前ら!打てー!」

「こっちからも行くぞ!打てー!!」

政宗の艦隊と小十郎の艦隊。2つの艦隊から大砲を放たれてしまえばもう逃げ場はない。

石田三成の声とともに船は沈んでいった……

「さて、と。お前らはどうすんだ?大谷吉継、島左近。」

「………我らに生きる道はない。一思いに斬るがよい。未練などはない。」

そう、大谷吉継が言う。

「………わかった。それがお前らの選ぶ道ならば……」

政宗の刀が振り下ろされ、吉継の首を切り落とす寸前

「………なぜ切らぬ。同情などとはぬかすまい。」

「…お前ら、俺の船に来いよ。歓迎するぜ?」

「…っ!何を!わしらはお前らの敵なのだぞ?!そのようなこと、許されるはずがなかろう!」

そう左近が喚く。

「それを決めるのは俺だ。さぁ、どうするんだ。ここで死ぬか。俺のために生きるか。」

「……わかった。この命お前のために使おう。これで文句はないな?」

吉継がそっと呟くようにそう言った。

「吉継!何故そのようなことを!」

「左近。我らは負けたのだ。これ以上抗う訳にはいかん。」

「……わかった。伊達政宗。これでわしら石田軍の艦隊はお前のものだ。」

「そうだな………じゃあとりあえず本陣に戻るぞ。吉継、左近、忘れるなよ。お前らの命はもう俺のものだ。」


「伊達殿にこのような一面があろうとは………以外ですわねぇ。さぁ、そろそろ宴の準備を始めましょう」
< 4 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop