うちの兄が不良すぎて困る。



結局、フライパンで焼いていたお母さんのハンバーグをお兄ちゃんにあげることになり、お母さんは自分のぶんを作り直していた。


横暴で王様気質。でも、なんだかんだ言ってお母さんはお兄ちゃんのことが可愛い。だって帰ってくるとなぜか機嫌が良くなるし。


私は苛立ちを当て付けるように、むぎ茶ポットをガンッとテーブルに置いた。



「俺のも注げよ」

「うちはセルフなんで」


そう言って私は自分のコップにだけむぎ茶を注ぐ。



「なんでお前そんなに苛ついてんの?ああ、あの日か」

「ちがっ……」


言い返そうとしたけど、余計にイライラするだけだと思ってやめた。


無神経でお兄ちゃんはデリカシーの欠片もない。

おまけに作った手間も知らないでパクパクとお兄ちゃんはハンバーグを口に入れるだけ。仕事で疲れてるお母さんに食べてほしくて大きく形作ったやつなのに。


ああ、何故かむぎ茶が進む。

喉が乾いてるわけじゃないけど、飲まないとやってられない。




「……お兄ちゃん。少しは落ち着いてよ」

私はため息まじりに呟いた。


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