俺が教えてあげる
「簡単なことだよ。俺が芙美香を家まで送ればいい。」
...はい?
「いや、ちょっとまって。私の家までの距離分かってる!?颯汰くん帰るの遅くなっちゃうし、そもそも道わからないでしょ!?どうやって帰るの?」
まぁ、大して難しくないルートだけど...。ずっと真っ直ぐだし。それでもわたしの家はクラスの中で一番と言っていいほどの距離がある。
「んーと確か、8kmくらいだっけ?まぁ、道は何とかなるよ。というか、芙美香が教えてくれるでしょ?」
え、なんか軽くない?8kmってそんなに短いっけ?あれ?私がおかしい?
「ほんとに言ってるの?」
「うん。ほんと。」
えぇ。どうしよう.......
「...。もう、分かったよ。一緒に帰ろ?」
「っふ。最初からそのつもり。」
っ!今の笑顔...。