レンダー・ユアセルフ



         ◇





「……以上がわたくしの推察にございます。如何様に思われます?」

「なるほどな。いやしかし、まさかとは思うが…」

「調べてみる価値はあるように思いますの。アリアナが相当なお転婆であることは御存知でございましょう?嗚呼、そうですわお父様」



ほっそりとした指先を重ね合わせ、悪戯っ子の様に目を眇めて話の腰を折るリリア。






「どうか調査は秘密裏にお願いいたしますわね。あちらの御両親はとんでもなく抜け目のない方々ですから、もし手中にあの子が居ると知ればどんな行動に出られるか──…予測ができませんから」



にっこりと上品に笑みながらも続けられた無遠慮な科白内容に、肯く代わり苦笑する他ない父王であった。


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