レンダー・ユアセルフ
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洗練された背の高い街並みが初めてこの地に足を踏み入れる姉妹を見下ろしている。
まるで西洋映画の舞台を思わせる家々。
長旅を終えた彼女らを残して走り去って行った辻馬車の姿は、もう見えなくなっていた。
「すごいわ。噂には聞いていたけれど」
興奮した様子でそうこぼす姉に対し、点頭をおとす事で同意を示すアリアナ。
列強と謳われるだけのことはあり、チューリアやシャムスとは比べられない程に発達している市井。
城下町ですらこうなのだ。
普段ジーファが生活している城内は、きっと更に豪華絢爛なのだろう。
ほう、と感心の溜息を吐いては市井の民に紛れる二人であったが、急に周囲が慌ただしく様相を変えたことにより観光気分も終いとなる。
空高く立ち上るユースヒトリの国旗。
バタバタと近付いてくる、乗馬した武装集団。
民は怯え、自分達の家の中へと駆け込んでいく。
自分達は蚊帳の外であろうと思い込んでいた姉妹は、次の瞬間に放たれた言葉を聞き目を丸くすることとなる。
「いたぞ!取り囲め!」
見る目明らかに姉妹を剣で指し、叫号を上げた兵士。