レンダー・ユアセルフ





立場としては他国王宮に仕える女中の息子──言ってしまえば民衆の内の一人であるジョシュアが、どうしてそんなことを知っているのか。

先日催されたパーティに招かれたのは、あくまで上流階級の人間のみ。

未だ大々的に公表されていない事柄を、当事国のチューリアの民はともかく、他国の市井たる人間が知る由もないことは容易に見当がつく。







「貴方…どうしてそんなこと…」








呆然自失と二の句が継げないアリアナを、視線を逸らさずに見つめ返すジョシュア。

彼もまた、言わねばならない秘密を抱える人間の内の一人であった。








「……もう隠す必要はないかもね。て言うか、僕は秘密にするつもりもなかったんだけど」








滔々と語り出すジョシュア。一言も逃さないよう、食い入るように見守るアリアナ。








「──あの出逢いは僕にとって、良い意味で予想外だったんだよ」








そして話された内容は、アリアナにとって言うまでも無く衝撃を伴うものだった──。




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