2度目の忘れられない恋


「…撮影は来月半ばから始まりますので、皆さんよろしくお願いします!」

打ち合わせは3時間ほどで終了。

「ん〜疲れた…」

もう9時か。早く帰ろ〜。
一応18歳だから夜も仕事はできるんだけど、

私の仕事は愛菜さんが遅くならないようにしてくれている

人の少ない電車に揺られながら窓の外を眺めていると、

「みおさん??」

横から突然声をかけられた


「…ぇ、三影さん?!

完全に気を抜いてたからすごい動揺してしまった…

「隣座っていい?」

「ど、どうぞどうぞ…」

うわぁ、緊張するなぁ…
あ、そうだ。

「この間は色々とありがとうございました…!」

「全然いいよ!今は仕事帰り??」

「はい、ドラマの打ち合わせに…」

「おっ、またドラマ出るんだね!」

こうやって2人で話すのはまだ2回目なのに、とっても話しやすい。

すごいクールで、こだわりの強い人って勝手なイメージだったけど、フレンドリーで凄い愛嬌のある人。


でも、私的には秀と重なってしまう。
1年も経っているのに…

まだまだ忘れられてないなぁ、私。

三影さんの、この苦しそうな笑顔はなんだろう。

「…みおさん?」

「え?」

「じーっと見られてたから…」

またやってしまった、秀と重なる笑顔から目が離せなくなってしまう…。

「また苦しそうな笑顔、してた?」


「…はい。

ごめんなさい、この前も今日も私の思い過ごしですよね!すみません余計なこと言って…」

「合ってるよ?」

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