2度目の忘れられない恋
空side
「合ってるよ?」
「え、」
相変わらず鋭いね…
今日はソロ曲のレコーディングがあって、気分が上がらない日だったんだよな
「なんで分かるの?」
今まで誰にも、いつも一緒にいるメンバーでさえ気づくことなんかなかったのに、
「…私の彼氏に似てて、」
「彼氏?」
「はい。
…何か納得いかないことがあっても自分の意見を言えないような人で、
そんな時は、空さんみたいに苦しそうな笑顔をしてたんです」
…納得いかない事、か。
まさに今の俺だな。
「…ソロ活動でね、自分がやりたい事ちょっと見失っててさ。
今日も1日仕事に身が入らなくて。
みおさんすごいね。誰にも気づかれなかったのに!」
気づかれなかったというか、気づかれないようにしたかった。
でも、分かってもらえるって
それもなんか良い。
「みおさんの彼氏って……」
「あっ、すいません私ここで降りないといけないので…。
…色々話して頂いてありがとうございました!じゃ、また…」
「うん、またね」
彼女の最寄りは俺の降りる駅の2つ前
電車から降り、振り返って手を振ってくれた
そんなに話してたのか…。久しぶりに時間を忘れて喋ってた
みおさんといると、つい素の自分を出してしまいそう
空side終