2度目の忘れられない恋


「これ美味いな」

「でしょ?店長さんのオススメだからね」

私がよく来ていたレストラン。
ここ1年くらいは来れてなかったから…

「どうかした?」

「んえ??」

「いや、手が止まってたから。」

考え事してたら動きが止まっちゃう。

「…ここね、秀とよく来ていたとこなの。

秀、私が食べてるこのハンバーグがすごい好きでね。」

無意識にこのメニューを選んでた。
それまでは食べたことなかったのに。

「なぁみお。まだ…苦しい?」

「え?」

「秀くんの話をする時の目が、いつも消えそうで怖いんだよ…。」

来太くんが心配そうに私を見つめる

「…忘れたくないのに、忘れかけてる。
今でも会いたいって思うのに、あんまり思い出せなくてさぁ」

たった1年。たった1年しか経ってないのに、もう秀の影が歪み始めてる

それが苦しい。悔しい。

「…秀くんも秀くんのご両親も言ってたけど、
みおはみおの人生を歩いて行くべきなんだよ。

まだ18歳。これからいろんな出会いがある。
忘れてしまうのは人間だから当たり前。
でも、進まないといけないよ」

「…うん、分かってるんだけどね。」

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