2度目の忘れられない恋
気になる笑顔
秀と私は中学に上がった頃から付き合い始めた
「秀、どっちがいいと思う?」
「こっちの方がみおに合ってる」
「じゃあこっちにしよ〜
秀はいろんなところに連れて行ってくれて。
小さい頃から何かと忙しくて、
外の世界を知らなかった私を色んな所に連れて行ってくれた
「…みおはさ、高校卒業したら大学は行くの?」
「ん〜、多分行かないかな。叔母さんたちにこれ以上学費出してもらうのはね…。
それに、今はこの仕事が楽しいからそっちに専念したいなぁ」
叔母さんはそんなこと気にしなくていいって言ってくれてたけど、私の気持ちは決まっていた
「そっか……」
「え?どうしたの?」
「…あのさ、みおが卒業したら、
結婚…しない?」
「…え?」
「…結婚しないかって、」
夢だと思った。秀の彼女になれた時もそうだったけど、この時は体が浮いてしまいそうで
「本当に言ってる…?」
「嘘でこんなこと言えないよ」
「私でいいの?」
「みおが良いって、みおじゃなきゃダメだって
そう思ったから。
側で、お前の笑顔を守りたい。
こんな俺でよかったら、結婚してください」
少し耳を赤くしながらこう言ってくれ。
一生忘れない日なのに。あの時の秀のはにかんだ顔が思い出せそうで思い出せない。
高校1年生の1月。秀が亡くなる5ヵ月前のこの日に、私達は結婚の約束をした