2度目の忘れられない恋
「じゃ、ゆっくり休めよ?」
「うん、送ってくれてありがとうね」
つながれていた手を離そうとすると、ぐいっと引っ張られる
「…なに?」
「お願いが、あるんだけど…」
お願い?
「…今度さ、夏休みの校外学習あるじゃん」
「あぁ、あるね。」
うちの学校は、夏休みの半ばに学年全体で行く校外学習がある
三年生最後の思い出づくりなんだって。私あんまり行きたくないけど。
「その日一日、俺と一緒に回って…?」
「え、そんなの、いいに決まってるじゃん!
寧ろ私の方がお願いしたい」
私は、友達が少ない分、こういう行事系が苦手。
だから祥吾が一緒に行ってくれるなら、私には救いの手だ。
「俺が行きたいだけ。
じゃあ決まりな!勝手に先々行くなよ?」
「分かってるよ。」
今年の校外学習は、少し行きたくなった。