2度目の忘れられない恋
「へ〜校外学習だったんだ〜」
「うん。七菜香ちゃんは何してたの?」
「私はここの近くでアルバイトしてるからその帰り。
それより、最近沢山テレビ出てるよね〜
大活躍じゃん」
七菜香ちゃんの笑顔は、なぜか目が笑っていない…
不気味なのは、気のせい?
「最近は忙しくさせてもらってるよ」
「ふ〜ん。最近じゃなくて、ずっと忙しかったんでしょ?」
「え?」
彼女の表情がなくなった。
「秀ちゃんが病院にいる時だって、
全然来なかったよね〜?それって忙しかったからでしょ?
凄いよねー、恋人が大変な時に優雅にお芝居ができるなんて」
「な、に」
「なにじゃないわよ。
だから秀ちゃん、あんたじゃなくて私にすれば良かったのよ
あんたなんかより、ずっと側にいられたはずよ」
顔が見えているのに、顔が見えない
“いいわよね、あなたは死ぬような病気じゃなくて”
“あなたが近くにいると秀ちゃんが無理をするから出ていって”
“秀ちゃんの代わりにあんたが死ねば良かったのよ”
頭の中に響く声、誰なの…、