2度目の忘れられない恋


膝から砕け落ちるようにその場に倒れこんだ彼女

これは、どうしたら良いんだ?!こんな時に限って誰もいねぇし…

…とりあえずみおさんの楽屋まで運ぶか。

「…失礼しまーす」

ドアから顔だけをのぞかせて中を覗くと、

「はーい。あら、空くんじゃない!どうしたの?」

マネージャーの愛菜さんが丁度返ってきたところのようで。

「あの、みおさんがそこで倒れて、
運んできたんですけど…」

「え?!…みおちゃん倒れちゃったか。
ごめんね、びっくりしたでしょ?

そこのソファに寝かせてあげてくれる?」

「あ、はい」

愛菜さんは倒れた理由を知っているようだ

「ありがとうね」

「いえ…」

「…この子、小さい頃から持病があってね、ひどいめまい持ちなのよ。

それで気を失う事が結構あるの。」

「…そうだったんだ。」

「すぐに目を覚ますこともあるけど、なかなか気がつかない時もあるから

こっちとしては毎回ヒヤヒヤするのよね…」

タオルをかけながらそう説明してくれる。

…そんな病気を持ってたんだ。

「ストレスなんかがほとんどの原因なんだけど、今日は特に色々あってね。」

人ってわからないなぁ…

いつもニコニコしてるようなの子でも、何かしら苦しみを抱えてる

「…あ、ごめん空くん!
私もう帰らないといけなくて…

みおちゃんは1人で大丈夫だから。自分で帰れるし、戻ってもらっていいわよ!ありがとうね」

そう言って部屋を出て言ってしまった愛菜さんだけと、

すごい放任主義だな、。

いや、こんな状態の子置いていけねえよ…


空side終


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