君の笑顔は、俺が絶対守るから。

【side:CHIAKI】



「こちらこそ! 失礼しましたーっ!!」


そう叫ぶと、佐倉は勢いよく脱衣所のドアを閉めた。

風呂上りで濡れた髪をかき上げて、やれやれと息をつく。


「まずった。あいつがいるって忘れてた……」


部屋着のTシャツに袖を通す。

生地が少しひんやりとしていて、火照った身体に気持ちいい。


「逆だったらやばかったな」


女と同居するって、こういうことなんだ。

お互い気を配っていないと、きっとうまくいかない。


たとえばいま風呂から上がったのが佐倉で、俺がうっかり脱衣所に入ってきていたとしたら、俺は変態のレッテルを貼られることになる。

それはいろいろまずい。


佐倉の裸なんて見たくもないもの見せられたうえに、変態のレッテルを貼られるなんて最悪だ。

……いや、見たくもないものってのはちょっとアレか。

見たいか見たくないかって言われると答えにくいけど、絶対見たくないってわけじゃないし。

いや、だからって見たいっていうのもちがうけど。
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