君の笑顔は、俺が絶対守るから。

すぐそこにあった、春陽の襟首をつかまえて引っ張り上げる。


「なにすんだー! 離せよ、兄ちゃん!」


暴れる春陽と驚いた顔の佐倉をじろりと睨んだ。


「お前たちはそろいもそろって、俺の言ったことを聞いてなかったのか?」


そこから佐倉に、春陽と風呂に入るのがなぜまずいのか懇切丁寧に説明してやった。

それなのに頭に花でも咲いているのか、佐倉はまるでピンときていないようだった。


これは佐倉がバカなのか、我が弟のかぶった猫が完璧すぎるのか。

とりあえず風呂は禁止という部分は納得させられたから、よしとしよう。


春陽は俺の手から逃れ「兄ちゃんのむっつりスケベ!」と俺に完全な濡れ衣を着せる暴言を吐き、2階へと駆け上がっていった。


あいつまじでとんでもねぇな。

あれを天使という佐倉は、やっぱり頭に花が咲いていると思う。


春陽がいなくなってふたりきりになったところで、気になっていたことを聞いてみた。

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