君の笑顔は、俺が絶対守るから。
昼休み、苦手な相手とうんぬんという話が、俺だったのかと。
佐倉は俺がどうこうというより、男全般が苦手だということだったらしく、ちょっと安心した。
「で? 実際どうなんだよ。やってけそうなの? 俺とひとつ屋根の下」
「言い方がちょっと……。そりゃあ不安ではあるけど。私より、一ノ瀬くんは? 一ノ瀬くんも、あんまり女子好きじゃないでしょ」
「まあな。うるせーししつこいから」
パッと頭に浮かんだのは、中学も一緒だった森姉妹だ。
あいつらは本当にうるさくてしつこい。
一度あいつらからの告白を断っているっていうのに、まったく気にする様子がない。
ちょっとは気にしてくれと思う。
「でもまあ、佐倉はそんなにうるさくねーし。一ヶ月くらいいいよ」
「うん。なるべく静かにしてます。私も男の人好きじゃないけど、一ノ瀬くんは高橋くんの親友だし、大丈夫だと思う」
「高橋のダチなら大丈夫って、なんでそうなるんだよ」
何の根拠もない。
そう思ったのに、佐倉は予想外なことを言った。