君の笑顔は、俺が絶対守るから。
「ふふ。最近パンも作り始めたのよ。あとで感想聞かせてね」
焼きたてパンが朝から食べられるの、嬉しいなあ。
とっても贅沢。
「京子さん。何か手伝えることありますか?」
「あら、ありがと。でも朝は準備が大変だろうし、梓ちゃんは自分のことをしてね」
気をつかってそう言ってくれた京子さんに感謝しつつも、迷ってしまう。
自分の準備って言っても、顔を洗ってご飯を食べたら、歯を磨いて着替えて学校に行くだけだ。
授業の準備は昨日のうちに済ませてあるし、日焼け止めとリップクリームを塗るくらいで、化粧も全然しないし。
悩む私を見て、京子さんが「じゃあ」と提案してくれた。
「うちのデカい方の息子、起こしてきてくれる?」
「え? デカい方って、一ノ瀬くんですか?」
「うちの子たち、そろって朝弱いのよ。ほら、小さい方もそこのソファーに」
「えっ。あ、ほんとだ。春陽くんここにいたんですね」