君の笑顔は、俺が絶対守るから。
ひょいとソファーをのぞきこむと、半分眠っているような顔の春陽くんが、クッションを抱えて横になっていた。
静かすぎて全然気づかなかった。
「春陽くん、おはよ」
「うー……」
「ほんとに朝弱いんだねぇ」
それにしても、天使は寝ぼけた顔も天使だ。
白いほっぺをツンツン突いても、春陽くんはちっとも起きようとしない。
一ノ瀬くんもこの調子だったとしたら、起こすのは確かに大変そうだ。
「京子さん。一ノ瀬くんのこと起こしてきます」
「ありがとう。起きなかったらベッドからけり落してもいいから、よろしくね~」
料理をしながら、そんな物騒なことを言って笑う京子さん。
もしかして、毎朝けり起こしてるのかな。まさかね。
二階に上がり、一ノ瀬くんの部屋のドアを控えめにノックした。
返事がないので、今度はもう少し強くノックする。
それでも反応がないので「失礼しまーす」とおそるおそるドアを開けた。