君の笑顔は、俺が絶対守るから。



「おーい。どうしたアズにゃ~ん」

「梓、大丈夫? お腹でも痛い?」


小鳥たちの声に、机に突っ伏していた顔を持ち上げた。

ふたりが心配そうな顔で私を見下ろしている。


大好きなふたりの顔を見ていると、ちょっとだけ心が癒された。


「なんでもないよ~」

「梓、もしかして疲れてる?」

「朝からそんなにぐったりして、何かあった?」

「やっぱり他人と同居するのって、大変なんじゃ……」

「いじめられたとか? 同居人のいびきがすごくて眠れなかったとか!」

「ううん。大丈夫……。ちょっと朝から衝撃的なことがあっただけ。ふたりとも気にしてくれてありがと」


そう、とても衝撃的だった。

まさか普段はクールな態度で感じの悪い一ノ瀬くんの寝顔が、あんなにも可愛いなんて。


あまりのあどけなさに、思い出すだけでうっとりしそうになる。
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