君の笑顔は、俺が絶対守るから。

一ノ瀬くんの制服のシャツからは、私と同じ洗剤の爽やかな香りがした。

そんなことをなぜか、嬉しいと感じる自分がいる。

ただ、同じ洗濯機で洗っているというだけなのに、どうして嬉しいんだろう。


電車を降りるとさすがに離れたけれど、改札を出る時に、「帰りも電車一緒に乗るから、先帰るなよ」と言われドキッとしてしまった。


「でも、また小鳥たちと遊びに行くこともあると思うし」

「そしたら迎えに行くから。とにかくひとりで電車に乗るな」


なんて、まるですごく大事にされているみたいに感じて、胸がいっぱいになった。

絶対だぞ、と言って先に学校へと歩き出した背中を見送り、どんどん熱くなっていく顔を覆う。


なに、いまの。

こんなの、勘ちがいしそうになっちゃうじゃん。

いつもあんな憎たらしい感じなのに、ずるいよ一ノ瀬くん。


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