君の笑顔は、俺が絶対守るから。

私と一ノ瀬くんでも、並んで歩いていたらそういう風に見えるんだなあ。

なんか……。

ちょっと、嬉しい?

うん。なんとなく、嬉しい気がする。

でも、どうして嬉しいなんて思うんだろ、私。


一ノ瀬くんがカートを押しながら振り向き、べぇっと舌を出して、笑った。

学校でも見た表情なのに、その時は腹が立ったはずなのに、なぜかいまは胸がドキドキしている。


本当に私、どうしちゃったんだろう。

一ノ瀬くんの笑顔にこんなに動揺するなんて。


自分の胸に手を当てながら、不可解な変化に首をひねるしかなかった。




< 151 / 317 >

この作品をシェア

pagetop