君の笑顔は、俺が絶対守るから。

顔にかかった前髪に触れるくらいいいかなあ。

つい欲が出てしまい伸ばした手を、パシリとつかまれた。


またこのパターン!

と思った時には、ベッドに引き倒されている。

ギュウッと抱きしめられ、一ノ瀬くんの体温と匂いに包まれカチコチに固まった。


こうなるってわかってるのに、寝顔を見るのをやめられないのは、どうしたらいいの!

一ノ瀬くんの寝顔が可愛すぎてつらい!


「んん……マロ」

「だから、マロじゃないってば……」


腕の中から一応そう抗議すると、長いまつ毛を億劫そうに持ち上げて、一ノ瀬くんが目を覚ました。


「……また来たの」


私を抱きしめたまま、まだ眠そうな声で一ノ瀬くんが呟く。


「部屋入んなっつっただろ……」


俺が男だってこと忘れてね?


なんてため息をつかれ、ムッとする。

いくら一ノ瀬くんの寝顔が可愛いからって、そんなの忘れるわけないじゃん。
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