君の笑顔は、俺が絶対守るから。

「そうだよね。ぶり返したらよくないし」

「そっかあ。そうだね。ゆっくり休んで、またうちらとカラオケ行こうね!」


ぞろぞろとカラオケに行く女子たちが、集団で教室を出ていくのを見送って、のんびりと帰る支度をする。


ちょっと疲れたけど、熱っぽい感じはないし、もう大丈夫だろう。

一ノ瀬家のみんなに心配かけたし、お世話にもなったし、お礼に何か買って帰ろうかな。

何がいいかな。ケーキ、プリン、ゼリー、それともアイス。

一ノ瀬くんに相談してみようかな。


廊下に出て、ちらりと隣のクラスをのぞいてみたけれど、一ノ瀬くんの姿はなかった。

もう駅に向かったのかな。のんびりしすぎたか。


ちょっと急ごうと階段を駆け下りたところで、一ノ瀬くんの声が聞こえた気がして立ち止まる。

左右を見たけれど、彼の姿は見当たらない。

< 180 / 317 >

この作品をシェア

pagetop