君の笑顔は、俺が絶対守るから。
「そうだよね。ぶり返したらよくないし」
「そっかあ。そうだね。ゆっくり休んで、またうちらとカラオケ行こうね!」
ぞろぞろとカラオケに行く女子たちが、集団で教室を出ていくのを見送って、のんびりと帰る支度をする。
ちょっと疲れたけど、熱っぽい感じはないし、もう大丈夫だろう。
一ノ瀬家のみんなに心配かけたし、お世話にもなったし、お礼に何か買って帰ろうかな。
何がいいかな。ケーキ、プリン、ゼリー、それともアイス。
一ノ瀬くんに相談してみようかな。
廊下に出て、ちらりと隣のクラスをのぞいてみたけれど、一ノ瀬くんの姿はなかった。
もう駅に向かったのかな。のんびりしすぎたか。
ちょっと急ごうと階段を駆け下りたところで、一ノ瀬くんの声が聞こえた気がして立ち止まる。
左右を見たけれど、彼の姿は見当たらない。