君の笑顔は、俺が絶対守るから。
『寝顔が可愛いと思う人』
一ノ瀬くんじゃん!
ピンポイントで一ノ瀬くん狙ってるやつじゃん!
それを私が引いてしまうって、どんな偶然だろう。
勢いよく一ノ瀬くんたちのクラスを見た。
応援している生徒たちの列の中に彼を見つける。
ほぼ同時に目が合って、一ノ瀬くんがいぶかし気な顔をした。
どうした、とその目が私に問いかけてくる。
名前を、彼の名前を呼びそうになった。
けれどその時、一ノ瀬くんの腕にギュッとしがみつきすり寄る女子がいて、声が引っ込んだ。
森姉妹の妹、森美鈴だ。
一ノ瀬くんに甘く微笑んだあと、私をきつく睨みつけてくる。
そんなに睨まなくても、一ノ瀬くんを借りたりしないよ。
私たちが同居していることは秘密なのに、彼の寝顔を知っていたらおかしいもん。
唇を噛みしめてから、一ノ瀬くんから視線を外し、自分のクラスの席へと走った。
「小鳥!」