君の笑顔は、俺が絶対守るから。

「まさかこんな展開になるなんて……」

「勝手に盛り上がってごめんなさい……」

「ええ? なんでそんな落ち込んでるの?」


わけがわからず慌てる私の耳に、スピーカーを介して高橋くんの告白が届いた。


『ずっと好きでした! 付き合ってください!』


歓声とも悲鳴ともつかない声が一斉にあがる。


さすが高橋くんだ。

告白も真摯で男らしい。

告白された先輩の顔が真っ赤になっているのが遠目にもわかった。


「だって高橋くんに好きな人がいたなんて」

「私たち、梓のためと思ってたけど……考えなしだったね」

「待って待って。意味わかんないよ。高橋くんがなに? 私のため?」


混乱していると、またひと際大きな歓声があがった。

どうやら先輩が告白に対して返事をしたらしく、高橋くんが感極まったように先輩を抱きしめていた。


これ、成功したのかな? したんだよね?
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