君の笑顔は、俺が絶対守るから。

「高橋くん、彼女ができたんだ……」


高橋くんみたいな優しくて親切で紳士的な人が彼氏だなんて、あのマネージャーの先輩は本当に幸せだと思う。

いや、これからたくさん高橋くんに幸せにしてもらえるだろうな。


「アズにゃん……」

「梓には私たちがついてるからね」

「そうだよアズにゃん! 元気だして!」

「だから! さっきからなんなの、ふたりして!?」


なぜか肩を抱き寄せたり頭を撫でたりしてくるふたりに困惑していると、スタートラインに一ノ瀬くんが立つのが見えた。

彼が不意にこちらに顔を向け、目が合った気がしたけれど、気のせいだろうか。


一ノ瀬くんも借り物競争に出るのか。


彼も恋愛系のカードを引いたら、どうするんだろう。

やっぱり森姉を連れて行くのかな。

ふたりで仲良く手を繋いで、ゴールインして、マイクを向けられ全校生徒の前で森姉に愛の告白をしたりするのかな。
< 220 / 317 >

この作品をシェア

pagetop