君の笑顔は、俺が絶対守るから。
【side:CHIAKI】
「もう放っといて! 私が誰に告白されて付き合おうと、一ノ瀬くんには関係ないでしょ!」
佐倉のそんな可愛くないひとことに、ついカッとなる。
「この……! ああ、そうかよ! 確かに俺とお前はただの同居人だもんな! それもたった一ヶ月の!」
鼻と鼻がくっつきそうな距離でそう言えば、佐倉の猫を思わせる目が見開かれた。
「テキトーな奴と付き合って泣かされたって、知らねぇからな!」
そんな心にもないことを言った直後には後悔していた。
知らねぇからなって、バカか俺は。
気になって気になって仕方なくて、電車の中だってのに今日のことを聞いたくせに。
佐倉がどんな顔をしているのか見る勇気がない。
後悔するなら言わなきゃいいのに、こういうところがまだガキなんだと自己嫌悪。
そのあとは俺も佐倉も、無言で電車に揺られていた。