君の笑顔は、俺が絶対守るから。
でも、言えなかった。
好きじゃない、なんて嘘はつけない。
初めての恋を、自分で否定したくなかった。
「何それ。やっぱ千秋のこと狙ってんじゃん」
「狙ってるとかじゃ……」
「好きで千秋に言い寄ってんでしょ? それで狙ってないって? バカにすんな」
軽蔑するように言われて、唇を噛む。
どうして人を、一ノ瀬くんを好きになったことを、軽蔑されなくちゃいけないんだろう。
怒りが湧きそうになったけど、次の森さんの言葉でそれは一気に霧散した。
「言っとくけど、あんたに勝ち目とかないから。五鈴はね、中学の時も千秋と付き合ってたんだから」
「え……?」
ふたりは付き合っていた?
いまだけじゃなく、中学の時も?