君の笑顔は、俺が絶対守るから。
これを聞いた時、ちょっと意味がわからなかった。
裏切るも何も、私は相手の顔も、名前も、存在さえも知らなかったのに?
私は知らないうちに、誰かを裏切っていた?
混乱しそうになった私を支えてくれたのは、やっぱり彼だった。
「ストーカー野郎の言うことに耳を貸す必要はねぇよ。忘れろ」
一緒に来てくれた一ノ瀬くんが、私の手を握ってそう言ってくれたから、私は素直にうなずくことができた。
自分でも甘えてるなと感じてはいた。
でも、いまだけ。あとちょっとだけ。
そう言い訳をして、一ノ瀬くんのくれる優しさと温かさを、胸に沁みこませた。