君の笑顔は、俺が絶対守るから。

聞けば、相手は電車通学からバス通学に変わった小鳥が、そのバスの中で出逢った他校の生徒らしい。

混んでいるバスで、その男子に席を譲ってもらったのがきっかけだったという。


「小鳥にならどんな男だって席を譲るよ」

「言うと思った! でもね、その人別の日に、お年寄りにも席を譲ってたんだよ! それで小鳥、好きになっちゃったんだよね?」

「うん……。とても親切で、優しい人だと思う」


ポッとまた顔を赤くする小鳥に動揺してしまう。

完全に恋する乙女の顔だ。

こんな小鳥、はじめて見た。


「そ、そうなんだ。ふうん、そっか……」


ミーナが言うには、相手は真面目そうな人で、がっしりとした体形で男らしく、坊主頭なので何かスポーツをしているかもしれないとのこと。

小鳥目当てで席を譲った感じはなく、普段から当たり前のようにそれができる人に見えたと。
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