君の笑顔は、俺が絶対守るから。
私の好きな人
昼休みになり、お弁当を持ち、ひとりで教室を出た。
一ノ瀬くんの教室に向かおうとして、その相手が廊下に出てきたので嬉しくなる。
でも彼の後ろには森姉妹がぴたりとくっついていた。
「えー。千秋どこ行くの~?」
「おべんと食べないの~?」
「購買行くんだよ」
「なんで~?」
「いつもおべんとじゃ~ん」
「今日は母親が作り忘れたんだ。ついてくんな、鬱陶しい」
遅かったか。
森姉が来る前に一ノ瀬くんのところに行こうと思ってたんだけど。
声をかけようか迷っていると、突然「佐倉!」と大声で呼ばれ驚いて振り返る。
同じクラスの山田がそこに立っていた。
「や、山田? どうしたの」
「いや、体育祭の時のあれ……改めて、言おうと思って」
それって、あの告白みたいなやつを、改めてするってこと?
まさかいま、ここで?