君の笑顔は、俺が絶対守るから。
「あんなに優しくしてもらって、助けてもらって、守ってもらって、なんか特別になれたような気になっちゃって……」
一ノ瀬くんにはもらってばかりで、私全然返せていないけど。
なんにも返せていないけど。
大きく息を吸い込んだ。
よし、行け、私。
覚悟を決めろ。
「私、一ノ瀬くんのこと、す――」
「ストップ!」
私の一世一代の告白は、いままさに好きと言おうとしていた相手に遮られてしまった。
大きな手が私の口を塞いでいる。
なんで止めるの! そんなに私のことが嫌いですか!
そう言おうと一ノ瀬くんを見て、驚いた。
彼のいつも澄ましたような顔が、真っ赤に染まっていたから。
「ったく、いきなりすぎなんだよお前は。助走もなしでジャンプすんなよ。びっくりするだろうが」