君の笑顔は、俺が絶対守るから。
生活能力のないダメダメなお父さんだけど、そういうところが私は大好きだ。
信じてくれるお父さんの期待に応えたい。
両親の視線を受けて、考えること十数秒。
私は大きく深呼吸をして、座ったまま頭を下げた。
「わかった! 京子さんの家で、お世話になります!」
私がしっかり答えると、お父さんはひとつ頷きまた新聞を広げだす。
張り詰めていたような空気がそれでゆるみ、お母さんは「京子ちゃんに連絡しなきゃ」と席を立った。
ああ……言ってしまった。
頭を抱えたかったけど、そこは言い切った手前我慢した。
でも決めたことで、不安はどんどん私の中でふくらんでいく。
大丈夫かな、本当に。
来月は期末テストもあるのに、男の子と生活をともにして勉強に集中できるだろうか。
どうか高橋くんみたいに優しい男の子でありますように。
そう祈るしかなかった。