君の笑顔は、俺が絶対守るから。
一ノ瀬くんは大真面目な顔をして、私をじっと見下ろしてくる。
「なんつーか、周りが見えてないって感じ」
「何言ってるの? ちゃんと見てるよ。むしろ人より気にして見てるくらいなんだから」
愛する小鳥を守るために、周囲にはかなり気を配っている方だ。
その辺は自信を持って言える。
「だったらどうして、すぐ人にぶつかったり、痴漢にあったりするんだよ」
「そ、それは……!」
痛いところをつかれ、反論できなかった。
言われてみればそうだ。
周りが見えてるつもりで、実は全然見えてなかったってこと……?
なんだか急に自信がなくなってきた私に、一ノ瀬くんがさらにあきれた目を向けてくる。
「お前、いつも一緒にいる奴のことばっかり気にして、自分のことは二の次になってんだよ」
「え? それって、小鳥のこと?」
「名前なんか知らねぇけど。他人を気にする余裕があるなら、もっと自分のこと大事にすれば?」