君の笑顔は、俺が絶対守るから。
「小鳥~。大丈夫だった? 山田に何かされなかった?」
私が小鳥の細い手を握りながら聞けば、大事な幼なじみは大きな目をまん丸にして「何もされてないよ」と笑った。
ああ、本当になんて可愛らしいんだろう。
小さくて、触れれば折れてしまいそうなほど細くて、小作りな顔はお人形さんみたいに整っていて、声までが愛らしい。
おしとやかで性格も優しくて、大好きな自慢の幼なじみだ。
「ほんと? 触られたりしなかった? 手、洗いに行こうか? 消毒する?」
「やだ。梓ったら何言ってるの?」
くすくすと笑う小鳥に癒されていると、それまで黙って見ていた友だちが「ほんとだよ」と会話に入ってきた。
「アズにゃんってば、小鳥がからむとほーんと辛辣になるんだから。さすがに男子がかわいそうになってくるわ」
あきれたようにそう言ったのは、川田未衣奈。
潔いショートカットを赤茶に染めた彼女は、化粧をしっかりしていて顔立ちも大人っぽく、小鳥とはまた違った目立ち方をする女の子だ。