君の笑顔は、俺が絶対守るから。

「小鳥~。大丈夫だった? 山田に何かされなかった?」


私が小鳥の細い手を握りながら聞けば、大事な幼なじみは大きな目をまん丸にして「何もされてないよ」と笑った。

ああ、本当になんて可愛らしいんだろう。

小さくて、触れれば折れてしまいそうなほど細くて、小作りな顔はお人形さんみたいに整っていて、声までが愛らしい。

おしとやかで性格も優しくて、大好きな自慢の幼なじみだ。


「ほんと? 触られたりしなかった? 手、洗いに行こうか? 消毒する?」

「やだ。梓ったら何言ってるの?」


くすくすと笑う小鳥に癒されていると、それまで黙って見ていた友だちが「ほんとだよ」と会話に入ってきた。


「アズにゃんってば、小鳥がからむとほーんと辛辣になるんだから。さすがに男子がかわいそうになってくるわ」


あきれたようにそう言ったのは、川田未衣奈。

潔いショートカットを赤茶に染めた彼女は、化粧をしっかりしていて顔立ちも大人っぽく、小鳥とはまた違った目立ち方をする女の子だ。
< 4 / 317 >

この作品をシェア

pagetop