君の笑顔は、俺が絶対守るから。
お母さんの言葉に、京子さんは眉を寄せ恐い顔をした。
「それって現在進行形で危ない目に遭ってるってこと?」
「そうねぇ。どうしてか、そういう目に遭いやすいみたい」
「お母さん。あとをつけられたのは気のせいかもしれないって言ったじゃん」
「気のせいじゃないかもしれないでしょ?」
「そうね。気のせいじゃなかったら、梓ちゃんひとり残して行くのは心配だわ」
ふたりの会話を聞きながら「どうしてか」の答えをくれた人のことを思い出した。
私は周りが見えていないと言った一ノ瀬くん。
自分よりも小鳥の安全を優先することは、間違っているんだろうか。
でもなあ。
どう考えても、私より小鳥の方がか弱いし、男に狙われやすいんだから、守るのは当然だと思うんだよね。
というか、守るべき。
小鳥の存在はむしろ国を挙げて保護するべきと、私は本気で思っている。