君の笑顔は、俺が絶対守るから。
私が考え込んでいると、恐がっていると思ったのか、春陽くんがぎゅうっと首に抱き着いてきた。
「大丈夫だよ、小鳥おねえちゃん! 僕が守ってあげる」
「春陽くん……ありがとう」
やっぱり春陽くんは天使だ。
性別を超越した愛らしさに、私のささくれ立った心はみるみる癒されていく。
「なるほどね。でも、ちょっとまずいわね……」
神妙な顔で、京子さんは腕を組んだ。
「あら、京子ちゃん。まずいって何が?」
「春陽はともかく、うちにはもうひとりいるから」
「もうひとり? あ、男の人? でも旦那さんは単身赴任って言ってなかった?」
「そうなんだけど……。もうひとりっていうのは、息子のこと」
京子さんに気遣うような目を向けられ、嫌な予感がした。
「うちには高校生の長男もいるの」
京子さんのその言葉に、私は春陽くんに抱きしめられながら固まってしまった。