君の笑顔は、俺が絶対守るから。

ものすごくよろしくしたくなさそうだ。

そりゃあそうだよ。

私たち、高橋くんを介して知り合っただけで、彼がいなくちゃ仲良く喋るような間柄じゃない。

むしろちょっと険悪な関係なんだから。


私だって嬉しくないけど……天使にお願いされちゃしょうがない。

口元を引きつらせながら、私もなんとか「よろしく」と深く頭を下げた。


お世話になる身だし、なるべく一ノ瀬くんの邪魔にならないよう、ケンカになったりしないよう気をつけよう。

そのためにも距離感は大事だ。

高橋くんの教えを守って、距離を大事にしなくちゃ。


それから……一ノ瀬くんのことを、しっかり見よう。

目が合うたびに睨み合いにならないよう、彼の良いところをたくさん見つけるんだ。

一ノ瀬くんは正直いけ好かないタイプだけど、彼の言っていた『良いところを見つける』っていうのは、とても素敵な考えだと思うから。

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