君の笑顔は、俺が絶対守るから。


と、あの時は意気込んだわけだけど……。


実は早くも、寂しさと不安で倒れそう。

もう高校生なのに、家を出て1時間もしないうちにホームシックだなんて情けない。


「おっはよーアズにゃん! 挨拶どうだった?」

「おはよう、梓。例の息子さん……大丈夫そう?」


登校してきた小鳥たちには、お世話になるお家に挨拶に行くことを話していた。


ダメだったらうちにおいで。親の許可はとったから。

そう何度も言ってくれるふたりがいなかったら、私きっと泣いていたと思う。


「おはよう、ふたりとも。ええと……」


実はお世話になるのは、隣りのクラスの一ノ瀬くんのお家だったんだよね。

と、続けようとした言葉は音にならなかった。


あれ。

これって……話していいことなのかな?


何も考えていなかったけど、私と住むことがバレたら、もしかして一ノ瀬くんの迷惑になったりしない?
< 65 / 317 >

この作品をシェア

pagetop