君の笑顔は、俺が絶対守るから。
と、あの時は意気込んだわけだけど……。
実は早くも、寂しさと不安で倒れそう。
もう高校生なのに、家を出て1時間もしないうちにホームシックだなんて情けない。
「おっはよーアズにゃん! 挨拶どうだった?」
「おはよう、梓。例の息子さん……大丈夫そう?」
登校してきた小鳥たちには、お世話になるお家に挨拶に行くことを話していた。
ダメだったらうちにおいで。親の許可はとったから。
そう何度も言ってくれるふたりがいなかったら、私きっと泣いていたと思う。
「おはよう、ふたりとも。ええと……」
実はお世話になるのは、隣りのクラスの一ノ瀬くんのお家だったんだよね。
と、続けようとした言葉は音にならなかった。
あれ。
これって……話していいことなのかな?
何も考えていなかったけど、私と住むことがバレたら、もしかして一ノ瀬くんの迷惑になったりしない?