君の笑顔は、俺が絶対守るから。
「あー……その」
心配そうに見つめてくるふたりに、本当のことを話すべきか否か。
私は一瞬唇を噛みしめたあと、無理やり笑顔を作って見せた。
「と、とっても可愛い、天使みたいな男の子がいたよ」
ごめん、と心の中で謝りながら言った。
天使みたいな男の子、春陽くんは確かにいたから、嘘じゃない。
実は息子さんはふたりいて、もうひとりは同級生の一ノ瀬くんだということは、伏せているだけで嘘をついたわけじゃない。
なんて、そんな言い訳を自分にしても意味ないのに。
「えっ! じゃあ、アズにゃんの苦手な感じじゃなかったんだ?」
「うん。女の子みたいな見た目でね。うるさくないし、乱暴でもないし、人懐っこくてすっごくいい子。梓おねえちゃんって呼んでくれたり」
「そう……。良かった。心配だったけど、これで安心だね」