ハニーレモンの太陽。
第二章【球技大会】
それから少し経ち、季節は初夏に差しかかっていた。
学校では、2週間後に迫った球技大会に向け先生たちが忙しそうに準備に追われている。
学級委員の私もまた、先生のお手伝いで放課後は校舎を走り回っていた。
その日も、私は先生に頼まれた道具を体育倉庫から取り出して、体育館に持っていく途中だった。
「好きです!」
甘酸っぱい意思表示が耳に飛び込んできて、反射的にその声を辿ってしまう。
校舎の影に隠れた女子数人は、おそらく今恥ずかしそうに顔を下げている黒髪ボブの女の子の仲間と思われた。
そしてその正面にいるのは……
(ハルくん…?)
転校してきて、学校中の女子の話題はハルくんで持ちきりだった。
だから、ハルくんがモテることも知っていたし、何度か告白されていたのも耳に入っていた。
だけど、実際に告白される現場を目撃してしまうのはもちろん初めてなわけで。
頼まれた荷物を両手に抱えて、何となくその場を動けなかった。
「…ありがとう。でも、ごめん。」
数秒間をおいて、ハルくんが静かにつぶやく。
「そっ…か、わかった。急にごめんね」
続けて、黒髪ボブの子も言葉をこぼした。
申し訳なさそうに、女の子を横切るハルくん。
女の子は瞬間、その場に座り込んでしまった。
(大丈夫かなあの人…)
気まずい場面を見てしまった私まで、何だか複雑な気持ちになってしまって。
とりあえず急いで体育館へ向かうことにした。
学校では、2週間後に迫った球技大会に向け先生たちが忙しそうに準備に追われている。
学級委員の私もまた、先生のお手伝いで放課後は校舎を走り回っていた。
その日も、私は先生に頼まれた道具を体育倉庫から取り出して、体育館に持っていく途中だった。
「好きです!」
甘酸っぱい意思表示が耳に飛び込んできて、反射的にその声を辿ってしまう。
校舎の影に隠れた女子数人は、おそらく今恥ずかしそうに顔を下げている黒髪ボブの女の子の仲間と思われた。
そしてその正面にいるのは……
(ハルくん…?)
転校してきて、学校中の女子の話題はハルくんで持ちきりだった。
だから、ハルくんがモテることも知っていたし、何度か告白されていたのも耳に入っていた。
だけど、実際に告白される現場を目撃してしまうのはもちろん初めてなわけで。
頼まれた荷物を両手に抱えて、何となくその場を動けなかった。
「…ありがとう。でも、ごめん。」
数秒間をおいて、ハルくんが静かにつぶやく。
「そっ…か、わかった。急にごめんね」
続けて、黒髪ボブの子も言葉をこぼした。
申し訳なさそうに、女の子を横切るハルくん。
女の子は瞬間、その場に座り込んでしまった。
(大丈夫かなあの人…)
気まずい場面を見てしまった私まで、何だか複雑な気持ちになってしまって。
とりあえず急いで体育館へ向かうことにした。