ハニーレモンの太陽。
「ただいま」

「美桜!ミキらが戻ってきたのになかなか来ないから心配したよー」

「ごめん。」

「お昼食べなよ!」

「…お腹空いてないから、いいや。」



なるべくハルくんと目を合わさないように、机に広げていたお弁当箱を早々に片付けて、机を戻した。

ハルくんと仲がいいのは私だけじゃないのに。どうして。



「美桜?なんかあった?」

「なんでもない、…ちょっと体調悪いから保健室行ってくる」

「桧山!付き添い行こうか?」



そう言ってくれたのは、ハルくん。



「いい。一人で行くから。」



冷たく断ってしまう自分が嫌になる。
こういう時、伸ばしていた前髪で表情を悟られにくいのは、ちょっと助かると思った。


おかげで、少し涙目になっていたことも、3人には悟られずに済んだみたいだから。


学級委員と言っても、真面目だからと半強制的に任されただけで、

特段クラスメイトからの信頼が厚いわけでも、クラスの中心にいるわけでもない。


ただ教室の隅で、いつもひっそりを暮らしているような私。


だから、ああいう派手なタイプの人たちに目をつけられるのは、本当に厄介なことだった。
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