月夜の砂漠に一つ星煌めく
Ⅴ
そして、俺が生まれた日から、15年目の今日。
成人の儀が、厳かに行われた。
この日ばかりは、近隣の国からの客人を招き、宮殿も華やかなになる。
街の中も、お祝いムード一色になり、いつも以上の賑わいを見せた。
そして俺はと言うと、成人になったと言う理由だけで、見たこともない宝石に、首元を飾られ、高価な絹製のローブを着せられた。
「よくお似合いでございます。」
幼い頃、俺の面倒を見てくれていた女中が、涙を浮かべながら、微笑んでくれた。
「マリエフ前王妃様が、このお姿をご覧になったら、さぞかし、お喜びになられるでしょう。」
そう言って、今度は袖で涙を拭い始めた。
目出度い日だと言うのに、こんなに泣かれては、反って困るんだが、今日ばかりはお礼を言わなければならない。
なにせ、成人の儀を迎えられるのは、この女中のお陰でもあるのだから。
「そなたにも、礼を申さねばならぬ。」
成人の儀が、厳かに行われた。
この日ばかりは、近隣の国からの客人を招き、宮殿も華やかなになる。
街の中も、お祝いムード一色になり、いつも以上の賑わいを見せた。
そして俺はと言うと、成人になったと言う理由だけで、見たこともない宝石に、首元を飾られ、高価な絹製のローブを着せられた。
「よくお似合いでございます。」
幼い頃、俺の面倒を見てくれていた女中が、涙を浮かべながら、微笑んでくれた。
「マリエフ前王妃様が、このお姿をご覧になったら、さぞかし、お喜びになられるでしょう。」
そう言って、今度は袖で涙を拭い始めた。
目出度い日だと言うのに、こんなに泣かれては、反って困るんだが、今日ばかりはお礼を言わなければならない。
なにせ、成人の儀を迎えられるのは、この女中のお陰でもあるのだから。
「そなたにも、礼を申さねばならぬ。」