月夜の砂漠に一つ星煌めく
それから1年経ち、俺は14歳になった。

「ジャラール様。あと1年で成人の儀で、ございますね。」

ハーキムがワクワクしながら、言ってきた。

「成人の儀?何だ、それ。何かするのか?」

「はい。成人の儀は、もう子供ではない。大人と同等の扱いをしてもよいと言う儀式です。王子の成人の儀となりますと、それはもう、大変盛大でございますよ。」

そんな事、盛大に発表しなくても、と思うのはまだまだ、俺が甘い証拠なのか。

「近隣の国から、アラブの王達が、美姫なるお嬢様方を連れ、この宮殿においでになるのです。それはそれは、美の共演になります。あー、楽しみですね。」

アラブ王の美姫達ね。

あまり、他の国の者を見た事がないから、なんとも言えない。


「ハーキム。その美姫達を、見た事があるか?」

「ありませんから、楽しみなんですよ。」

普通の男だったら、こういうモノなんだろうなぁとは思うのだけど……
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